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対話で愉しむドイツの社会文化 第1回「社会文化的現象としてみた『バイロイト音楽祭』の魅力」の感想

学びのきっかけとしての文化
会員 合田 憲司
この度、10月27日の「対話で愉しむドイツの社会文化」というイベントに参加させていただきました。その時のことについて紙幅をいただきましたので、拙筆ながら少しお伝えできればと思います。
第1回のタイトルは「社会文化的現象としてみた『バイロイト音楽祭』の魅力」でした。皆さんご存知のバイロイト音楽祭のローエングリン、と始まった今回の催しですが、日独協会に所属していながらお恥ずかしいことに聞いたことのないものでした。バイエルン州のフランケン地方にあるバイロイトという小都市で行われる非常に有名な音楽祭だそうです。また、ワーグナーが自分の作品のために自ら建築に携わったオペラハウスで行われるもので、チケットを取るためには短くとも5年は
申し込み続ける必要があるほど参加するのは大変なものだとのことでした。
今回講師を務めていただいたのは理事の押尾氏と杉谷氏でした。前半と後半に分かれており、前半では2018年の音楽祭の模様について映像を使って杉谷氏から説明があり、後半は押尾氏よりバイロイト音楽祭の歴史について説明がありました。指揮者や演出家の話もありましたが、私はオペラに不案内なこともあり、昨年の音楽祭では子供を起用した演出をおこなったこと、この音楽祭はワーグナーの家系によって受け継がれてきたこと、実際にオペラハウスで音楽祭という形となったのはナチスの影響があったということが印象に残っています。お二人とも非常に博識で面白いお話を聞くことができました。
また、直接の内容とは関係ないですが、講座が始まる際の枡田会長の挨拶にあった日本の外国語教育において「やり取りをする能力」が不十分であるという話と、ヨーロッパでは外国語を学ぶ際には言語だけでなく、それぞれの国の社会や文化、歴史についての知識についても同時に学んでいるという杉谷氏の話は非常に印象に残っています。ドイツ語に限らず、言語はコミュニケーションのための道具にすぎず、そのきっかけとしてコミュニケーションをとる相手に興味を持つことが大切だということなのだろうと思います。